キジの観察報告
鳴き声 と ほろうち 1 of 2
 Rev.
17
Original :2002-05-02-Thu.
Updated : 2008-07-18-Fri

鳴き声 と ほろうち その-1

 三月〜六月の繁殖期にオスは『ケン・ケーン』の鳴き声と『どどど・・・っ』
と翼を打ちならす音(これは [ ほろうち ] と呼ばれている)でメスに呼びか
ける習性がある。キジは留鳥であり、鳴き声は年間を通じて聞くことはで
きるが、季節と状況により鳴き声の種類と回数は大きく異なる。

2003-05-15 Thu.  
数メーター離れれば姿が見ないような未明から
♀にアピールを始める。恋のチャンスは今しか無いのだ
Thu. May.15'03 04:22:13  Canon EOS-1D / EF100-400mm  ISO:3200
 繁殖期には日の出前から鳴き始める。今回の例もメモをとるペン先が見
えない様な暗さだが運良く撮れた一枚だ。 羽ばたきは乾燥した土地の
場合、砂煙も上がり場合によっては小石も飛ぶほどの勢いがあり自身の
目の保護のため、#1013-6 の様に瞬膜が使われる例も多い。

この画像は地方紙の小さなコラムに載った。
 この画像は地方紙の小さなコラムに載った。

 この動作はメスに自身の存在をアピールする事と、テリトリーの宣言が
主目的だと思われるが、メスを見つけ二羽で連れ添って採餌行動を行っ
ている時にも 30 〜 60 分毎に見られるが、伴侶を獲得した『勝利宣言』
or 『歓喜』の意味があるのかも知れない。

 ウグイスもホーホケキョの鳴き声にかなりの体力を使っているようだが
キジの場合も鳴き終わる時の姿勢はしりもち状態に近い姿勢になるほど
体力を使って鳴いている。
 多くの場合周囲より高い岩や倒木などの上で鳴くことが多いが、鳴いた
後バランスを崩して転がり落ちる姿を時々見かける事もある。

2005-06-08 Wed.  
周囲より高い物の上でほろうちをする事が多い。
 Wed. Jun.08'05 07:23:35  Canon EOS 10D#2/ EF300mmF4L+1.4x  ISO400 
 この例は瞬膜を使わない例だ。

キジの瞬幕についての疑問 2005年6月 キジの瞬膜についての考察。⇒⇒

 ほろうちのパターンは
 1: 二回の鳴き声と二回のはばたきで構成される。
 2: 鳴き声も羽ばたきも二回目が大きい。
 3: 二回目の鳴き声の時、最初の羽ばたきが始まる。


 多くの場合周囲より少し高い場所や倒木などの上で鳴く。
鳴き始め:首を上に伸ばし
最初の「ケン」の声を上げる。
 鳴き始め:首を上に伸ばし最初の「ケン」の声を上げる。

最初の「ケン」が終わる。
 最初の「ケン」が終わる。

回目の「ケーン」の鳴き声と
最初の羽ばたきを行う。
 2回目の「ケーン」の鳴き声と最初の羽ばたきを行う。

更に体を後ろへ倒して2回目の
(最大の)羽ばたきをする。
 更に体を後ろへ倒して2回目の(最大の)羽ばたきをする。

2回目の翼の動きによる浮力で
体を前浮き上がらせる。
 ほとんど [ しりもち ] 直前の姿勢になるが。2回目の翼の動きによる
浮力で体を前浮き上がらせる。前述したがこの時地上が滑りやすいと
しりもちをつく事もある。

場合によっては小石も飛ぶほどの
勢いがあるため 自身の目の保護のため
瞬膜を使う事が多い
羽ばたきは乾燥した土地の場合砂煙も上がり、場合によっては小石も飛ぶほどの
勢いがあるため自身の目の保護のため瞬膜を使う事が多い。
_
2003-05-08 Thu.  
 例えば雨天でもこの Love call は行われる。以下の例は雷を伴う強い
雨の日だったが、ほんの数分の晴れ間に雨を避けていた木陰から出て
きてメスに呼びかけていた。

Thu. May.08'03 05:56:20:  Canon EOS 10D / ISO1600 /  EF100-400mm + 1.4x
 雨で羽はべったりとくっついているが、ほんの数分の晴れ間を使って
 Love-Call をするため Call spot に現れた。今彼が立っている場所は周
囲より僅かだが盛り上がった場所だとわかる。この他倒木など周囲より
高い場所を選んで [ ほろうち ] をする習性がある。

雨天でも4〜5月は晴れ間に鳴く事もある。
Thu.May.08'03 05:57:12  Canon EOS 10D / ISO1600 / EF100-400mm + 1.4x
周囲は暗いが晴れ間に♀に
呼びかける♂
Thu.May.08'03 05:58:12  Canon EOS 10D / ISO1600 / EF100-400mm + 1.4x
 早朝 + 雨で周囲は暗いが晴れ間に Love call を送るオス。
ほぼ 1km 程離れた地点にもキジオスのテリトリーがあるのだがそちら
からも晴れ間に声が聞こえる。
こちらのオス同様濡れた翼でメスに呼びかけているのだろう。
_
周囲を歩き回り何度もほろうちを行いオスに呼びかける
Sun. Apr.18'04 06:55:38  Canon EOS10D / EF300mmF4 + 1.4x  ISO:800
 カメラの感度を上げることで、翼の動きを止めて撮る事も(周囲が充分
明るければ ) 可能だ

2005-06-09
 今朝は取材用の車の使用を止め久しぶりに 50CC バイクでフィールドに
出向いた。いつもの場所でオスが朝日の中でメス達に呼びかけていた。
朝日を浴びながら [ ほろうち ] をするキジ・オス。
Thu. Jun.09'05  Canon EOS-1D/EF100-400mm

 
鳴き声

 過去数年間の観察から得たキジの鳴き声についてまとめておこう。例に
よって権威の無いアマチュアの趣味の範囲の情報である事をお断りしてお
く。


 *** オスの鳴き声 ***

、『ケン・ケーン』、3月〜8月頃に聞かれる。その目的と意味は以下の
  様ものだと考えられる。

  キジの [ ほろうち ] について #2 (2005年) テリトリーの宣言、⇒⇒

  メスに対する呼びかけ ( Love call ) 、⇒⇒
  メスを得た勝利宣言。⇒⇒

  などの意味を持つようだ。また厳密な区分けは無く、テリトリーの宣言と
  「恋人募集」のなど複数の目的を兼ねて鳴く様だ。

1、『コケーッ・コケーッ・』 年間を通じて聞かれ、農夫や野犬の急接近など
  で危機を感じた時 20m〜150m 離れた安全な場所に鳴きながら飛翔して
  移動する時に聞かれる。待避する時に毎回必ず鳴くものではなく状況に応
  じて無言で飛翔する事の方が多いようだ。

1、『コケーッ・コケーッ・』or 『コ〜、〜』、『ク〜〜』とも聞こえる。繁殖期が
  終わる7月頃から翌年の2月頃に聞かれ、時には数分間鳴き続ける。
  この声で鳴きながらブッシュから飛び立ち2〜3m先の近くに下りることも見
  かけられる。  
  繁殖期を過ぎるとオスの
鳴き声は変わる。 回数と鳴き声のパターンは異なるが
秋でもキジは鳴くのだ。
  目的・意味不明。

1、『コーコーコー』年間を通じて聞かれる。10m以内に接近しないと聞き
  取れない小さな小さな鳴き声。例えば雌雄でデート中、農夫などの接
  近に気づき草むらなどに別れて潜むが、農夫が去り安全だと判断した
  後、メスを呼ぶ時に鳴く。自身のテリトリーを訪ねてきたメスにこの声で
  呼びかけることもある。

、『ヒック』人間のしゃっくりの様な鳴き声、数m以内に接近しないと聞き
  取れない小さな小さな小さな小さな鳴き声。
  繁殖期に数百m離れた(隣のテリトリーの)オスがほろうちと共に『ケン・
  ケーン』と鳴く声を聞いた時に発する鳴き声。
  人間のしゃっくりと区別が付かないほど良く似ている。

1、『クヮン、・・クヮン』数年間の観察で2回だけ聞いた。
  繁殖期に雌雄が向かい合っている(熱いムードの時に)子犬の様な声で
  メスに呼びかける。10m以内に接近しないと聞き取れないような小さな鳴
  き声。
  初めて聞いたときは付近に捨てられた子犬が鳴いているのかと誤解した
  ものだ。


 *** メスの鳴き声 ***

 普段は鳴かない。しかし、繁殖期にはオスとそれ以外の季節にはグル
 ープと(外敵などの接近で)離れてしまった場合などオスや仲間を求めて
 『ピーヨ・ピーヨ』と鳴くことがある。子猫の様な鳴き声と表現した方が適
 切かも知れない。  ⇒⇒

 *** 幼鳥の鳴き声 ***
  メス同様仲間から離れた時、仲間に呼びかけるために『ピーヨ・ピーヨ』
  と鳴く例は多く観察される。 ⇒⇒ 
  8月のヒナ[ メス ]



 蛇足だが『けんもほろろ』の諺の”ほろろ”とは、ほろうちの事だ。
辞書によっては、ほろろとはキジやヤマドリの鳴き声とも記述されている
例もある。

 鳴き声と [ ほろうち ] その - 2 ⇒⇒


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