キジの観察報告
観察・撮影のための Tips .
Rev.
20
Original : Sat.Apr.20'02
Updated :Tue.Jun.13'06
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観察・撮影のための Tips . 1 of 2


 フィールドでドライブや散歩などの途中キジを見かけた方は多いと思う。
しかし、いざ観察・撮影のために出向くと彼らを見つける事は以外と難しい事
を知らされる。個人的にはカワセミやジョウビタキなどより難度は高いので
はないかと思っている。
 難度が高い理由の一つに、木の枝や水面の様に活動場所がある程度
限定される種類の鳥と違い 彼らは主に隠れる場所の多い地表で活動する
ことが上げられる。

 ここで、観察や撮影のための個人的経験から得た Tips を紹介しておこう。

   観察の時期
 キジは1年を通じて観察可能だが、他の野鳥同様4月〜8月の繁殖期がベ
ストの時期だと思う。また♂の方が鳴くこと、色が鮮やかなことで♀より見付

けやすい。

   用意する物
観察にはまず双眼鏡が欲しい。 8〜10倍程度の倍率の双眼鏡、撮影するのであれ
ば 35mm 換算値 400mm 以上のレンズとカメラ、そして三脚が必要だろう。

   観察の場所
 彼らの生活圏は平野部と山間部に分けられる。

1、不要に接近せず彼らの行動を観察するのであれば、水田とか畑などの平野
  部が良いだろう。平野部では当方が身を隠す場所が少なく接近が困難だが、
  同じ事は彼らにもあてはまり求愛行動とか交尾の観察の可能性が高い。

遠くに♂を見た。
Tue.Mar.16'04 14:42:55 Canon EOS 10D EF300mmF4L  ISO:100  -2/3
 50〜70m 離れた位置に♂を見かけた。途中さえぎる物がないため接近は不
可能だが双眼鏡があれば彼らの自然な挙動が観察できる。
 
2、撮影が目的であれば、より接近する必要があるため、大きな公園、川原、郊
  外の里山、林の周辺など、彼ら(と我々)が身を隠す草原や潅木がある場所
  が候補に上げられるだろう。

   観察の時間
1、風の無い快晴の朝、日の出前 ( 04:30 ) から 08:0 頃に上述した郊外の里山
  などに出向き、まず鳴き声を聞くことから始める。
4〜5月頃はキジ♂がほぼ 10〜20分毎に鳴き声を上げ♀を呼んでいる。
全国的に数が減少しているとの説、(逆に増えているとの説もあるのだが)もある
が、多分、数カ所から鳴き声を聞くことができる事だろう。
 最も鳴き声の回数の多い方向へ(徒歩で)向い、鳴き声が聞こえたら、双眼鏡
でゆっくり周囲 ( 360°) を調べる。この季節の♂は♀にアピールするために目
立つ場所で鳴いているのでとても見つけやすいといえる。
あまりに目立つ位置にいるので
逆に気づきにくい事もある。
 これは(↑)数mの高さの崖の上の端に全身を現している例だ。
もし彼が見つかったら、そして撮影目的でなく観察が主目的だったら 50m 以
内に接近せず楽な姿勢で観察を始める。これくらい離れていると当方が大きな
動作をしても彼らの挙動は普段と変わらない。 
 ♂だけでなくその周囲を注意深く観察して欲しい。私の個人的観察経験は三
年未満だが、この状況で♀が現れる可能性は 70〜80% 以上なのだ。 
150m 遠方にオスを見つけた
白矢印の先はメスだろうか?
 Tue. Apr.18'06 06:34:04  Canon EOS 20D / EF300mmF4.0 +1.4x ISO800
 この画像(↑)は 2006 年4月の例だが、150m 離れた位置にオスを見つ
けた。彼の右数mの位置に見えるものがキジ・メスか区別がつかない。
接近してメスだと判別できた。当日の報告書 ⇒⇒

 参考資料:♂の呼びかけに応えて現れた♀の例⇒⇒

   車内から観察・撮影
 他の車両の通行の迷惑にならぬ場所でしかもキジの観察に適した場所が見つ
かれば車内からの観察・撮影はベストだと言えよう。この方法は次頁に記した。


 下の画像はウグイスの観察で野鳥観察の面白さを知った妻をキジ観察に連れ出し
たときのものだが、時間は夜明け前の 4:20 、周囲はまだほの暗い。しかしもう鳴声
が聞こえる。
以前の観察で”ねぐら”の場所を知っている個体の近くまで妻を案内する。

夜明け前のブッシュに
キジ♂を発見、この暗さでは
普通の人は気付きにくい
Sat. Apr.20'02 04:25
 約 10m 先に♂を発見。妻に「あそこに居るよ」と教えるが彼女(視力
左右共 3.0 ) にはわからない。♂は当然以前から我々に気付いてい
て、直後ブッシュに姿を消した。
夜明け前のほの暗い条件なので無理も無いが日中のフィールドでも
目の前10m の位置に全身を現していても経験が少ないとすぐには見
つけられないことも多い。
 特に♀は草むらに潜んでいるのを見つけ出す事はほぼ不可能だ。
参考のため♀が潜んでいる画像を紹介しよう。⇒⇒

 妻と声の方向へ向い、約 80m ほど先に翼を打ち鳴らすキジ♂を発見。
約 80m ほどの距離から翼を打ち
鳴らすキジ♂を発見
 この程度だと鳴き声は聞こえるが羽音は周囲の雑音などで聞くことが
できぬ場合が多い。キジとは充分距離があるため普通の会話や普通
の動作は可能だ。

まだ相手の場所が確認できない情況で、鳴き声の後ドドドーとかブルル
ゥーなどと翼を打つ音が聞こえる様ならほぼ 50 m 以内に接近したと考
えられる。以後は特に慎重に行動する。
 しゃがむか物陰に隠れ双眼鏡で声の聞こえた方向を慎重にチェックする。
慣れると草むらから周囲を警戒している赤い顔や翼を打つ時の翼の動き
を見つけることができる様になる。

 キジ観察に不慣れな人の失敗の多くの場合は、相手の場所が確認でき
ない情況のまま進み続けて、足元からバタバタと飛び去らせてしまうケース
が多いのだ。
 キジはまず危険を感じると、すぐに逃げないで物陰などに隠れて状況を観
察する習性がある。この様なときにこちらがのこのこ進んでゆけば、おとくい
の健脚で静かに歩いて現場から離れ去る。
しかし当方が行動を起さなければ、キジは、より広範囲の状況を知るため頭
をあげ周囲を観察する。この時の赤い頭を捕捉できなければ、このチェイシン
グは当方の負けとなるわけだ。

1、丘陵地なら丘のふもとより頂上付近にいる可能性が高い。(接近する敵
  や接近する♀を見つけやすいから。)
2、木立やブッシュと開けた平地の境界線付近にいる可能性が高い。(すぐ
  に林や  ブッシュへ逃げ込めるから)
3、平地で鳴く時は倒木、石、土盛など少しでも高いところで鳴く習性がある。
_
 彼らは危険を感じると速やかに(静かに)歩いて逃げる、下の画像は草陰
を逃げ去る♂だ。

草陰を音もなく
逃げ去るキジ♂
 この程度なら動き去る影は確認できる。


 上(↑)の画像と下(↓)の画像はどうだろうか、上は頭から尾まで確認できる
と思うが下は尾羽位しか確認できない。
 (画像上にマウス・ポインターをスライドして頂きたい。)


 頭を下げ尾を水平にして大人の駆け足より速い速度で音もなく逃げ去る。
そのため逃げ去った事に気付かず、ある時点から鳴き声が遠ざかった事
で我々はやっとそれに気付くことが多い。
 (画像上にマウス・ポインターをスライドして頂きたい。)

 繰り返すが、我々が短時間に接近しすぎると彼らは飛翔して逃去る。キジ
観察の途中で、もし貴方の足元から飛び立つ場面に遭遇したら、貴方の
Chasing 技術が未熟だったということだ。


彼を発見したら、
 彼の周囲を慎重に双眼鏡などでチェックする。観察時期が4〜6月頃なら
付近に(♀は保護色である事、鳴かない事、♂より小さい事で見つけにくい
のだが、)♀がいる可能性がとても高いのだ
繁殖期に♂を見たら付近に♀が
いないか確かめる事をお薦めする。
Fri. May.30'03 07:32:27 Canon EOS-1D / EF100-400mm L ISO:400
 上の画像でキジ♂はすぐ判断できると思うが、約2m左に♀がいるのだ。

♀は単独では
とても見つけにくい。
Fri. May.30'03 07:41:24 Canon EOS-1D / EF100-400mm L ISO:400
 この画像ならば♀が確認できるだろう。時には♂、♀は 10m 以上離れて
行動している事もあるので、我々が♂にのみ気を取られている時に♀が我々
に気付き飛んで逃げ、♂も後に続いて飛び去り観察を失敗する事もあるの
だ。

 各個体の一日のだいたいの行動範囲はほぼ同じらしい。(つまり)彼の
Routin work を知ると先回りして待つことも可能なのだ。
特等席でキジの
ショーを観劇する。
 このページの最初の画像の♂の行き先を(個人的経験で)知っているた
め妻と先回りして待つ。待ち伏せの場合は体を動かさなければブラインド
など不用で通常のピクニックのかっこうでかまわない。
草陰に腰をおろし楽な格好で30分ほど待つ、彼はすたすたと歩いてきた。
二人の前約 6m の明るい草むらで♂は採餌、雄たけびと翼の打ち鳴らし、
[ ほろうち ] をたっぷり見せてくれた。
その後、私のカメラを操作する動きで我々に気付いた様だが、我々が不要
な動きをしないため、あわてずゆっくり歩いて姿を消した。


補足 ( 2003-03-24 )
残念ながらこの個体()は狩猟期を無事に過ごす事はできなかった様だ。
個人的に三個体の観察を続けている中で最も人を恐れない個体だったのだが
現時点で見かけることができない。


 最も手っとり早い手段は、地元の農家の方から直接お聞きする方法だ。
だからと言って四駆で乗りつけて車窓から、『 キジのいる場所を教えて欲し
い。』 と言っても簡単には教えてもらえないだろう。 過去マナーの悪い観
察者やカメラマンが畑を踏み荒らしたり、ドアをロックしたまま農道に車を止
め農作業の邪魔をした例がとても多いので、キジの居場所や巣の場所を知
っていても教えない事が多いのだ。

 農家の方から直接お聞きする方法も完全ではない。最近はウイークデイ
は会社に勤め休日のみ”百姓”をする方が増えているため野鳥などの知識
は我々の方が詳しい事も珍しくない。
また、「焼け野の雉子夜の鶴」の様な話とか「キジ雄はヘビを見ても恐れな
い。ヘビに自分の体を巻きかせ、期を見て羽ばたくとヘビの体は引き千切
られて吹き飛ぶのだ。」 などの誇張された”お話”を聞かされる事もある。

2004-08-26 Thu.
 私の観察と撮影方法。他のセクションでも記述したがキジの観察・撮影は
他の野鳥と比べても難しい部類に入るのではなかろうかと思っている。

1、季節、天候、時間に関係無くできるだけ数多くフィールドに出かけて彼ら
  の現れる場所や時間の傾向を掴む。
2、(1)の結果から遭遇の可能性の高い場所と時間にブラインド、車内、ブッ
  シュ等に潜んで彼らを待つ。
 結論から言えばヒット率は非常に低いものとなる。遭遇できても早朝で薄
 暗く撮影が困難だったり、更に彼らの動作の素早さも関係して良い画像を得
 る事は困難だ。
3、ある時、フィールドで時々見かける 80才のお婆さんにプリントした画像を
  数枚見てもらった事があるが、一見立ち止まっている同じ様な画像を見て、
  「これは逃げさる直前のものだね、そしてこれはメスがいないか捜している
  時の様子だね・・・。」と的確に指摘された事がある。
  私宛てに『先日偶然撮影したカワセミです!』などとリプライを頂くこともあ
  るが明らかに餌を置いて撮ったものだと分かる例も少なくない。
  貴重な休日を費やして出向く以上『結果』を出したいと考える気持ちも分
  からぬ事もないので無難な返事を送っているのだが・・・・。
  前述のお婆さんの例の様に見る人が見れば [ やらせ ] か否かは分かっ
  てしまうものなのだ。


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