ロボット撮影 デジカメによる 野性動物の自動撮影 無人撮影

- ロボットカメラを作ろう -
       

Rev.
 157
Original :2002-09-29-Sun.
Updated :2014-04-16-Wed.


ロボットカメラを作ろう


 ロボットカメラを作ろう その- 2  構成部品の解説  ⇒⇒

 ロボットカメラを作ろう その - 3 実践編 ⇒⇒ (工事中)


 
 
近づけば逃げ去る野鳥や野生動物を大きく鮮やかに撮る事は多くの野
生動物ファン共通の希望だろう。
 この様な目的のためのレンズは一般に 500mm からと言われている。
しかしこのクラスのレンズは大衆車の価格より高価なのだ。
 前書きはこの程度にして、まず以下の一枚を見て頂きたい。


200mmレンズで自動撮影した画像だ。
Sat. Mar.05'05 08:55:31 Canon EOS 10D#1/EF200mmF2.8L  ISO: 400 -1/3 (自動撮影)
 野鳥ルリビタキ ♂(14cm) を自作の RCS : Robot Camera System で記録
した画像で使用レンズは
200mm レンズ
だった。

画像 # 9561-50 の撮影現場の様子だ。
 こちらはその撮影現場の様子だ。使用カメラは Canon EOS 10D、レンズは
35mm 換算で 320mm だ。野鳥ルリビタキが止まっている杭にセンサーが組
み込まれていて、野鳥が杭に止まった事を感知して自動的にカメラにレリーズ
シグナルを送って撮影が行われるのだ。この時の RCSは 2セットのカメラをサイ
マルにコントロール可能なので、例えば1st カメラは広角レンズで周辺の状況
を、2nd カメラは望遠レンズで対象物のクローズアップを狙う様なことも可能な
わけだ。
 ちなみにこのロボットカメラは Model-10、2005年2月に制作した作品だ。

 私はレンズに多額の資金を使うより、ワイヤード・リモコンワイヤレス・
リモコン
ブラインドなどを使って撮影を楽しんでいる。(新製品、高機能だけを
追いかけるのは私の趣味に合わないのだ。と強がりを言っておこう。)  
 双眼鏡やフィールドスコープの像をコンシュマークラスのデジカメを使いコリ
メート方式で撮るデジスコと呼ばれる手段もあるが絶望的な F値と撮影までの
プロセスや機器のレスポンスを考えると手を出す気持ちはまったく起こらない。
 私の最大目的は野鳥の観察であって記録は二次的に得られる物なのだ。 
記録することに気を使い過ぎることは本来の目的からの逸脱だと私は考える
のだ。

 
リモコンで撮影する手段もあるが、彼らがやってくるのをじっと待たなければな
らない。待つこともそれなりに楽しみもあるが、センサーを使った野鳥の自動撮
影システムの製作を試みたわけだ。
 結論を先に述べれば、初期のモデルは製作後四年以上、延べ 600回を越え
るフィールドの使用で個人的にはとても貴重な画像を得ることができた事、そし
て初期に製作したモデルも現役で稼動中である事は、アイデア倒れの製品では
ないと言えよう。


動作原理
 
 
野生動物を感知する方法は幾つか考えられる。DIY ショップで入手可能な
部品を使い半日程度で完成できる物から、ん千万円程度の開発費用が必要
なアイデア、(あるメーカーのあるモデルの)カメラを使えばコストゼロのアイデ
アなどが考えられるのだ。

 Web 等で紹介されている事例で最も多いのが近赤外線集電(しょうでん)型
センサーを利用するアイデアだ。生物の体温を感知して対象物の接近を知る
方法で安価に制作できるのだが、致命的な欠陥がある。赤外線は太陽光に
大量に含まれているため、 この方式では日中の使用はほぼ不可能で夜間
の使用に限られてしまうのだ。
 太陽が見えない雨天の日とか薄暗い林の中ならば使用可能だと考えるかも
知れないが誤動作 HBN ( hit by no item ) が多くて実用にはならない。

 音(人間には聞こえない超音波)を利用するアイデアもある。直径 10mm 程度
の特殊スピーカーから超音波を照射してその反射波で感知するわけだ。この
システムも欠陥がある。自然界では常に微風があるため、草木の葉の振動や
空気が杭や幹などぶつかって振動するのだが、この振動には高周波成分=超
音波が含まれるためやはり HBN ( hit by no item ) が多くて実用面で問題が
ある。無論この方式を全否定するものではない。私は製作した超音波方式の
モデルは主に屋内で使用している。
 参考 : 超音波方式の捕捉説明
 ⇒⇒

 
光(可視光線 or非可視光線)を利用するアイデアもある。この方式は基本的
に以下の二種類に分けられる。
 光を照射するモジュールと受光するモジュールを分離してその間に対象物が
侵入して光線を遮断することで感知する方法。
 光を照射するモジュールと受光するモジュールを同一場所に設置して、照射
モジュールからの光線が対象物に反射して受光モジュールに届くことで対象物
の存在を感知する方法。
 制作には専門の知識が要求されるがレーザー光線を使用することも可能で
この場合送受間は 100m 程度も可能となる。未公開だが 60m の感知距離を
もつ作品を現在フィールドテスト中だ。


 
一般的なアイデアは前述したが、更に沢山のアイデアが考えられる。また
複数のアイデアを組み合わせることでより効果的な作品も可能だろう。

 野鳥が止まる小枝などにスイッチを組み込んで枝に止まった彼らの体重でカメ
ラを動作するアイデアは簡単に実現できそうだが、10gr 前後の軽い体重で動作
して、飛び去れば回復するメカニズムの工作はそれなりの精度が要求される。
 野鳥の鳴き声をマイクロフォンで感知してカメラを動作させる作品も制作経験が
ある。


My product with pride & joy.
 Wed. Jan.19'06 11:10:51 Canon EOS-1D/EF100-400mm@200mmFL.  ISO400 (自動撮影)
 この画像()が私のロボットカメラの集大成と言えよう。この画像は、

1、撮影場所と時間は 快晴の日中の直射日光を遮る物がない屋外だ。
2、野鳥 [ モズ ] の頭部や腹部の羽毛がたなびいている事から判断でき
  る様に5〜7m/sec の強風が吹いている。
3、撮影時の使用レンズの焦点距離は35mm換算 260mm だ。

 
同様の撮影例は Web で捜しても皆無で、野生動物の自動撮影はほとん
どが、夜間、対象動物の大きさはイタチ程度以上、使用レンズは広角〜標
準で撮られている。これは野生動物のロボット撮影で著明なプロの作品でも
同様だ。
 この事は、快晴の日中にピンポイントで小さな生物を自動撮影する事(市
販品やその改造ではほぼ不可能)
の難度の高さを物語っていると言えよう。






安価な 50mm標準レンズで記録した画像だ。
 Tue.Nov.21'06 00:05:18 Canon EOS 10D / EF50mmF1.4 USM ISO200 Storobe 420EX
 Shot by Robot camera Model-5
 ピンポイントで小さな小鳥を狙えることは、より大きな小動物でも可能だと
言う事だ。この画像は安価な 50mm 標準レンズで撮ったものだが、イタチの
ヒゲの本数まで数えられそうだ。

 設計制作を自分で行うため機能を特化したモデルも可能だ。1例を挙げれば
あるモデルの感知精度は4m先の直径 15mm の不透明体を 10mm の誤差で
感知可能だ。
4m先のコイン程度の大きさが感知可能だ。 
 そのため特定の小枝に止まる野鳥とか特定の花に止まる蝶()などがピ
ンポイントで狙えるのだ。

ひさしぶりに Robocam Model-14 を
フィールドに持ち出した。
 Sun.Aug.27'06 07:38:47 Canon EOS 20D / EF300mmF4.0   ISO:400 ( RCS Model-14 )
 こちらは昆虫を感知して自動記録した事例だ。使用した RCS は Model-14
だ。 ⇒⇒


_
全ての作品の情報はデータベース化してある。
 現在使用目的別に基本動作が異なる20種類以上のロボットカメラシス
テムが稼動中だ。
また過去
制作した全てのシステムは回路図、部品リス
ト、プログラムリスティング、部品入手先など全ての情報をデータベース化
して いる。これは必要に応じ数年前の作品を再制作したり、改造して新
機能を追加する時にも役立つのだ。

パワーオンして基本動作や
感度のチェックを行う。
 物置(日曜大工で製作した私の作り工房だ!)で制作中の作品の画像だ
が、背景の CRT に表示された回路図は書斎の PC に保存されたデータを
無線 LAN を使って受信したもの
だ。

2016-11-05 Sat.

 作品の回路図やパーツリストを保存することはとても大事なことだ。この事例は、制作後約9年が経過した時点で障害が
発生したが、残された回路図などから短時間に回復できた例だ。原因は電源用ケミコンが破裂したのだが(画像上のコン
ポーネントが破損品、下は正常品) この様な現物ではラベルの仕様を読み取ることは困難だ。資料の回路図で仕様を知
り代替品と交換し再稼働させた。⇒⇒


 未公開だが現在テスト中の物など多くのアイデアがあるので更に面白
いアイデアのロボットカメラシステムを今後も紹介してゆくつもりだ。


 今まで制作した主なモデルとその概略は次ページに記した。 ⇒⇒


レスポンス・ディレイタイム
 『自動撮影も面白いがレスポンスに問題がねぇ〜。』と、ロボット撮影に手を
伸ばさぬ方も見えるようだ。
 私の設計制作した Model-18 で対象物を感知してから記録するまでのディ
レイタイムをテストしてみた。高精度の(高価な)測定器などを使用したわけ
では無いがおおまかなパフォーマンスは掴めるのではないだろうか。

RCSのレスポンステスト。
 
測定器具などは所有していないためこの様な(↑)テストを行った。
Model-18 の光ビームは地表 75cm の高さにセットして、DIYショップで入手
したSPF材( 3 x 4 x 180cm ) を地表 90cm の高さからほぼ水平に落下させ
る。落下するSPF材が光ビームを遮断すると Model-18 から(今画像 #6243
を記録している)カメラにレリーズ信号が送られるわけだ。
 使用するカメラは Canon 30D、Manual Focus、Power save=No、Medium は
Green House x133 2GB を使用した。
 これが(↑)1回目のテストの画像だ。SPF材が地表 75cm で光ビームを遮
断後地表に届く前にカメラに記録されている。
 マウスポインターを画像 #09-6243 上にスライドインして頂きたい。

_
ラストリゾート
 この方法はカメラのファームウエアのアルゴリズムのリデザインが要求され、
我々ユーザーレベルでは不可能なのだが、、。

 対象の野生生物が撮影可能なエリアに現れたことをカメラに自動判断させ
る手段がある。野生生物が姿を見せると思われる位置にフォーカスを合わせ
てスタンバイして対象物が姿を見せた時点でレリーズさせる方法だ。
 私はキヤノンの DSLR シリーズを数セット愛用しているが、10D⇒20D
⇒30D とニューモデルがレリーズされるたびに『今度こそこのフィーチャー
が加えられるだろう。』と期待し・・・・そして落胆を繰り返してしているのだ。
 
 実はこのフィーチャーを既に採用したカメラがあるのだ。他にも事例( Nikon
など )があると思われるが ASAHI PENTAX の Model K-7 とか K-x では
外部センサーなど一切不要の『カメラによる自動撮影』が可能なのだ。PENT
AX では [ キャッチインフォーカス ] と呼んでいる機能だが、『写したいものが
ピントを合わせた位置に来ると、自動的に撮影されます。』などと解説されてい
る。
 一部動作不可能なレンズもある様だが、興味があるお方は PENTAX の購
入を考えられては如何だろうか。
 一見カメラのみで自動撮影が可能なので理想的なシステムと言えそうだが
カメラのAF が動作するための最低照度が要求されるため夜間の屋外などで
は動作が困難(不可能か)だろうと思われるが(個人的には)臨時収入があっ
た時の購入リストに記しておきたいカメラである。


誤動作の例
 様々な制約の下で製作しているので誤動作を経験することもある。⇒⇒
誤動作も多くは想定内の事象だが、想定外の事象に対しては原因を突き
止め対応策を講じている。
 実際の野鳥の世界でも、例えばカワセミが水中の小枝を小魚と間違えて
ダイブして捕獲する例も見られる。今回はモズが何でもない物を獲物と勘違
いした例を示そう。⇒⇒
 この様な失敗例を見れば安価なコストで製作したロボットの誤動作にも寛
容になれるのではなかろうか。

RCS : Robot Camera System.

 自動撮影システムの自作をお考えの方の参考までに個々のセンサーの
長点や弱点についてもう少し具体的に記した
⇒⇒


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  File name : Robot_CMR_Gtop.html